食べられ小話、詰め合わせ
ツイッターの診断メーカーさんの結果で書いたお話を加筆修正したものです。
もうちょっと数が増えたら、第二部連載始める前に、閑話として投稿予定です。
続きを読むからどうぞ~。
・『「おいで」と相手に向かって手を伸ばしている』『サクラとグレイス』を描きor書きましょう。
みなさんおはようございます。
今日も気持ちのいい朝です。
まあそれ以上の気持ちのよさを私は昨夜経験ずみなわけですが。健全じゃない内容なので詳細は割愛します。
当然というかなんというか、私は現在隊長さんの寝室にいます。
まどろみが気持ちよくて、ごろごろとしていたんですが、そろそろ起きて支度しないと、朝ご飯を食べる時間がなくなってしまいます。シャワーも軽く浴びたいしね。
隊長さんはとっくの昔に起きていて、すでに着替えも終わっています。
今はベッドの脇の書机にて何やら手帳を確認中です。
ベッドから降りようとした私は、重大な事実に気づきました。
……腰が抜けております。
「隊長さん隊長さん」
困った私は、隊長さんに呼びかけた。
こちらに目を向けた隊長さんに、おいでおいで、と私は手招きする。
隊長さんは眉をひそめながらも、立ち上がって私の目の前まで来てくれる。
「だっこ」
甘えた声で、隊長さんに向けて手を伸ばしながら言う。
隊長さんは苦笑してから私を抱き上げた。
紳士な隊長さんは、ちゃんとシーツで私をくるんでくれました。
「風呂か?」
「はい、お願いします」
行き先を確認する隊長さんに、私はうなずいた。
隊長さんは重さを感じさせずに移動して、私をお姫さま抱っこしたまま、器用に浴室に続く扉を開く。
そうして隊長さんは、お風呂場まで数歩も歩く必要のない場所に私を下ろす。
うん、あとはもう大丈夫。
「隊長さん隊長さん」
ちょいちょい、と隊長さんの袖を引く。
屈んだ隊長さんの頬に、私はちゅっとキスをする。
「運んでくれたお礼です」
へへ、と笑いながら私は言った。
甘えさせてくれたお礼、でもあるかな。
・サクラとグレイスさんにオススメのキス題。シチュ:自室、表情:「お任せ」、ポイント:「壁に押し付ける」、「自分からしようと思ったら奪われた」です。
「隊長さん、キスがしたいです!」
「……そうか」
私の力のこもった主張に、隊長さんは眉間のしわを深くした。
というかたぶん、今の体勢に何か言いたいことがあるんだろう。
壁ドンです、壁ドン。
私が、隊長さんを、壁に押しつけてます。
ツッコミは不可です。壁ドンしたい気分だったんです。
ここは隊長さんの私室だし、誰かが見ているわけでもないし、別にいいよね!
「私からするので、動かないでくださいね」
隊長さんはため息をついてから、あきらめたようにうなずいた。
では、いざ!
隊長さんの唇めがけ、背伸びをする。が、背の高い隊長さんの唇へはまだ遠い。
ん? 嫌な予感がする。
つま先立ちをして限界まで身体を伸ばす。
……背が! 足りなかった!!
がっくりと肩を落とした私とは対照的に、隊長さんはぷっと噴き出した。
ひどいです隊長さん! 何がおもしろいんですか!
抗議の気持ちを込めて睨めば、隊長さんは「悪い」と全然悪いなんて思ってなさそうに言った。
むう、どうしてくれよう、このやるせなさ。
「サクラ」
隊長さんが、私の名前を呼ぶ。
それだけで私の機嫌は上昇していく。
微笑を浮かべた隊長さんの顔が、近づいてくる。私は期待をこめて目を閉じる。
ちゅ、と小さな音を立てて、唇に甘いキスが与えられた。
ふくれっ面を維持できずに、へにゃりと頬がゆるむ。
「しょうがないので、今はこれで我慢します」
腰に手を当てて、私は偉そうにそう言った。
本当は、私からしたかったけど。
それは夜のお楽しみということにしておきましょうか。
・サクラと隊長へのお題は『「泣きそうになりながら、手のひらに触れる」キーワードは「意地っぱり」』です。
夕食を食べ終わり、ソファーに並んで座って、大して中身のないサクラの話に耳をかたむける。
「で、エルミアさんにはお兄ちゃんがいるらしいんですけど、女ったらしなんだそうです」
「……ああ、それは否定できない」
ガネットの兄を脳裏に思い描きながら、相づちだけでなく言葉を返した。
よく言えば、女性に優しい気遣い上手な男だろう。
女性関係で問題を起こしたこともないし、うまくやっているようだ。
が、女好きなのは確かで、女ったらしというのも間違ってはいないと思えた。
「隊長さんも知ってるんですか?」
「隊員のことだ、当然だろう」
「そういえばそうですね」
バツの悪さをへらりと笑ってサクラはごまかす。
「兄に会ったら気をつけて、って言われちゃいましたよ」
ガネットは兄のことを信用していないらしい。
気をつけろ、は俺こそ言いたい台詞だ。
もちろんガネットの兄が何かすると思っているわけではないが。
言葉に迷っていると、サクラがいきなりぷっと噴き出した。
視線で問うと、気にしないで、と言うようにサクラは手を横に振った。
「ちょっと、思い出し笑いです」
そう言った彼女の笑顔は、すぐに歪んだ。
サクラは泣きそうになりながら、俺の手のひらに触れてくる。
指で筋をゆっくりとなぞっていく。
その行為自体には、意味などないのだろう。
何を思い出して笑ったのか。おおよそは想像がつく。
俺の、男の手に触れて。俺ではない男に思いをはせている。
それが家族だったとしても、少しだけ嫉妬してしまいそうになった。
「へへ、隊長さんの手、おっきい」
わざとらしい言葉。わざとらしい笑顔。
ちゃんと笑えていないことに、サクラは気づいているのだろうか。
そんな顔をするくせに、涙を見せることはない。
意地っぱりなのか、甘え下手なのか。
どちらにしろ俺にとってうれしくはないことだ。
今はまだ、気づかないふりをする。
きっと、そうしてほしいのだろうから。
サクラの抱えている悲しみ、寂しさ、憤り。
何も考えていなさそうな笑顔の裏に隠した、本心。
いつかすべて話してくれる日を、今はただ、待つしかなかった。
・『髪に花を飾ってあげる』『サクラとグレイス』を描きor書きましょう。
昼休憩、出入口にほど近い廊下でサクラを見つけた。
呼びかける前に向こうも俺に気づき、笑顔で駆け寄ってきた。
「隊長さん隊長さん、屈んでください!」
目の前までやってきたサクラは、ウキウキといった様子でそう言った。
いきなりなんだ、とは思ったが、拒む理由も特になかったのでおとなしく屈む。
サクラは俺の肩に手を置いて背伸びをすると、俺の耳の上に何かを挿し込んだ。
触れて確認してみると、どうやら野の花のようだった。
「外に咲いてたお花です! 隊長さん似合ってますよ!」
にっこり、とサクラは笑う。
それこそ、花のように。
その言葉と表情に、俺は脱力した。
「似合っているわけがないだろう……」
思わずため息がこぼれた。
自分のような厳つい男に、可憐な花が似合うわけがない。
いったいサクラの感性はどうなっているのか。
サクラが変わっているのは充分わかっていた気でいたが、まだまだだったのかもしれない。
「花が似合うのは、お前のほうだろう」
俺はそう言って、自分の頭から花を取り、サクラの髪に挿し込んでみせる。
白い小花は、少女然としたサクラによく似合った。
俺の頭にあるよりは、花もうれしいだろう。
「……隊長さん、それ、天然ですか?」
かすかに頬を赤らめたサクラが、そう聞いてくる。
遅れて、自分がいったい何を言ったのか、何をしたのかということに気がついた。
照れが、伝染する。
熱を逃がすように、俺は再度ため息をついた。
・可愛いカップル描いちゃったー
・キスお題ったー
・手と手の触れ合うお題ったー
もうちょっと数が増えたら、第二部連載始める前に、閑話として投稿予定です。
続きを読むからどうぞ~。
・『「おいで」と相手に向かって手を伸ばしている』『サクラとグレイス』を描きor書きましょう。
みなさんおはようございます。
今日も気持ちのいい朝です。
まあそれ以上の気持ちのよさを私は昨夜経験ずみなわけですが。健全じゃない内容なので詳細は割愛します。
当然というかなんというか、私は現在隊長さんの寝室にいます。
まどろみが気持ちよくて、ごろごろとしていたんですが、そろそろ起きて支度しないと、朝ご飯を食べる時間がなくなってしまいます。シャワーも軽く浴びたいしね。
隊長さんはとっくの昔に起きていて、すでに着替えも終わっています。
今はベッドの脇の書机にて何やら手帳を確認中です。
ベッドから降りようとした私は、重大な事実に気づきました。
……腰が抜けております。
「隊長さん隊長さん」
困った私は、隊長さんに呼びかけた。
こちらに目を向けた隊長さんに、おいでおいで、と私は手招きする。
隊長さんは眉をひそめながらも、立ち上がって私の目の前まで来てくれる。
「だっこ」
甘えた声で、隊長さんに向けて手を伸ばしながら言う。
隊長さんは苦笑してから私を抱き上げた。
紳士な隊長さんは、ちゃんとシーツで私をくるんでくれました。
「風呂か?」
「はい、お願いします」
行き先を確認する隊長さんに、私はうなずいた。
隊長さんは重さを感じさせずに移動して、私をお姫さま抱っこしたまま、器用に浴室に続く扉を開く。
そうして隊長さんは、お風呂場まで数歩も歩く必要のない場所に私を下ろす。
うん、あとはもう大丈夫。
「隊長さん隊長さん」
ちょいちょい、と隊長さんの袖を引く。
屈んだ隊長さんの頬に、私はちゅっとキスをする。
「運んでくれたお礼です」
へへ、と笑いながら私は言った。
甘えさせてくれたお礼、でもあるかな。
・サクラとグレイスさんにオススメのキス題。シチュ:自室、表情:「お任せ」、ポイント:「壁に押し付ける」、「自分からしようと思ったら奪われた」です。
「隊長さん、キスがしたいです!」
「……そうか」
私の力のこもった主張に、隊長さんは眉間のしわを深くした。
というかたぶん、今の体勢に何か言いたいことがあるんだろう。
壁ドンです、壁ドン。
私が、隊長さんを、壁に押しつけてます。
ツッコミは不可です。壁ドンしたい気分だったんです。
ここは隊長さんの私室だし、誰かが見ているわけでもないし、別にいいよね!
「私からするので、動かないでくださいね」
隊長さんはため息をついてから、あきらめたようにうなずいた。
では、いざ!
隊長さんの唇めがけ、背伸びをする。が、背の高い隊長さんの唇へはまだ遠い。
ん? 嫌な予感がする。
つま先立ちをして限界まで身体を伸ばす。
……背が! 足りなかった!!
がっくりと肩を落とした私とは対照的に、隊長さんはぷっと噴き出した。
ひどいです隊長さん! 何がおもしろいんですか!
抗議の気持ちを込めて睨めば、隊長さんは「悪い」と全然悪いなんて思ってなさそうに言った。
むう、どうしてくれよう、このやるせなさ。
「サクラ」
隊長さんが、私の名前を呼ぶ。
それだけで私の機嫌は上昇していく。
微笑を浮かべた隊長さんの顔が、近づいてくる。私は期待をこめて目を閉じる。
ちゅ、と小さな音を立てて、唇に甘いキスが与えられた。
ふくれっ面を維持できずに、へにゃりと頬がゆるむ。
「しょうがないので、今はこれで我慢します」
腰に手を当てて、私は偉そうにそう言った。
本当は、私からしたかったけど。
それは夜のお楽しみということにしておきましょうか。
・サクラと隊長へのお題は『「泣きそうになりながら、手のひらに触れる」キーワードは「意地っぱり」』です。
夕食を食べ終わり、ソファーに並んで座って、大して中身のないサクラの話に耳をかたむける。
「で、エルミアさんにはお兄ちゃんがいるらしいんですけど、女ったらしなんだそうです」
「……ああ、それは否定できない」
ガネットの兄を脳裏に思い描きながら、相づちだけでなく言葉を返した。
よく言えば、女性に優しい気遣い上手な男だろう。
女性関係で問題を起こしたこともないし、うまくやっているようだ。
が、女好きなのは確かで、女ったらしというのも間違ってはいないと思えた。
「隊長さんも知ってるんですか?」
「隊員のことだ、当然だろう」
「そういえばそうですね」
バツの悪さをへらりと笑ってサクラはごまかす。
「兄に会ったら気をつけて、って言われちゃいましたよ」
ガネットは兄のことを信用していないらしい。
気をつけろ、は俺こそ言いたい台詞だ。
もちろんガネットの兄が何かすると思っているわけではないが。
言葉に迷っていると、サクラがいきなりぷっと噴き出した。
視線で問うと、気にしないで、と言うようにサクラは手を横に振った。
「ちょっと、思い出し笑いです」
そう言った彼女の笑顔は、すぐに歪んだ。
サクラは泣きそうになりながら、俺の手のひらに触れてくる。
指で筋をゆっくりとなぞっていく。
その行為自体には、意味などないのだろう。
何を思い出して笑ったのか。おおよそは想像がつく。
俺の、男の手に触れて。俺ではない男に思いをはせている。
それが家族だったとしても、少しだけ嫉妬してしまいそうになった。
「へへ、隊長さんの手、おっきい」
わざとらしい言葉。わざとらしい笑顔。
ちゃんと笑えていないことに、サクラは気づいているのだろうか。
そんな顔をするくせに、涙を見せることはない。
意地っぱりなのか、甘え下手なのか。
どちらにしろ俺にとってうれしくはないことだ。
今はまだ、気づかないふりをする。
きっと、そうしてほしいのだろうから。
サクラの抱えている悲しみ、寂しさ、憤り。
何も考えていなさそうな笑顔の裏に隠した、本心。
いつかすべて話してくれる日を、今はただ、待つしかなかった。
・『髪に花を飾ってあげる』『サクラとグレイス』を描きor書きましょう。
昼休憩、出入口にほど近い廊下でサクラを見つけた。
呼びかける前に向こうも俺に気づき、笑顔で駆け寄ってきた。
「隊長さん隊長さん、屈んでください!」
目の前までやってきたサクラは、ウキウキといった様子でそう言った。
いきなりなんだ、とは思ったが、拒む理由も特になかったのでおとなしく屈む。
サクラは俺の肩に手を置いて背伸びをすると、俺の耳の上に何かを挿し込んだ。
触れて確認してみると、どうやら野の花のようだった。
「外に咲いてたお花です! 隊長さん似合ってますよ!」
にっこり、とサクラは笑う。
それこそ、花のように。
その言葉と表情に、俺は脱力した。
「似合っているわけがないだろう……」
思わずため息がこぼれた。
自分のような厳つい男に、可憐な花が似合うわけがない。
いったいサクラの感性はどうなっているのか。
サクラが変わっているのは充分わかっていた気でいたが、まだまだだったのかもしれない。
「花が似合うのは、お前のほうだろう」
俺はそう言って、自分の頭から花を取り、サクラの髪に挿し込んでみせる。
白い小花は、少女然としたサクラによく似合った。
俺の頭にあるよりは、花もうれしいだろう。
「……隊長さん、それ、天然ですか?」
かすかに頬を赤らめたサクラが、そう聞いてくる。
遅れて、自分がいったい何を言ったのか、何をしたのかということに気がついた。
照れが、伝染する。
熱を逃がすように、俺は再度ため息をついた。
・可愛いカップル描いちゃったー
・キスお題ったー
・手と手の触れ合うお題ったー
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